Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

ぼくも生まれてから、はじめて見たのですが、そりゃあ、へんなものですよ。」

青年は中村係長たちにむかって、さもおそろしそうに、そんなことを言いました。

ところが、そのつぎには、もっともっと、へんなことが、おこったのです。

地面に人間の首だけが、ころがっていたことは、さっきも言ったとおりですが、首のない洋服男は、身をかがめて、その地面の首をひろったのです。両手が青白い首を持ちあげたのです。「アラッ、おちていたのは、この人の首だったのか。」と、青年が、へんなことを考えているうちに、首なし男は、両手に持った首を、スーッと上にあげて、じぶんの肩の上に、チョコンと、のせました。すると、ふしぎなことに、首はそこにくっついたまま、はなれなくなったではありませんか。首なし男に首がついたのです。もうりっぱな一人まえの人間です。

青年は夢に夢みるここちで、いけがきのそとに、うずくまったまま、身うごきもできないでいましたが、すると、首のついた洋服紳士は、オーバーを着、ソフト帽をかぶって、いきなり、こっちへ、ちかづいてきました。青年はもう、生きたそらもありません。小さくなって、ブルブルふるえているばかりです。