Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
さけび声をたてなかったのが、やっとですよ。」
「バカだなあ。なぜ、さけばなかったんだ。きみがおしえてさえくれれば、こちらには、いくらも人がいたんだ。いま東京じゅうを、さわがせている、大怪物を、きみは、とらえようと思えば、とらえられたんだぜ。それを、まんまと、逃がしてしまうなんて……。」
「イヤ、ぼくは、勇気がなかったけれど、ひとり、あいつを、おっかけた人がありますよ。」
「エッ、なんだって、なぜ、それを早く言わないんだ。だれだ。だれが、あいつをおっかけたんだ。」
「子どもです。ここにいる、ぼくをつかまえた子どもたちと、おんなじような子どもです。」
ルンペン青年は、小林少年とふたりの少年団員を、ジロジロ見ながら、なんだか腹だたしげなちょうしで、答えました。
「ぼくが、いけがきのところに、しゃがんでいると、ひとりの子どもが、懐中電灯を、ふり照らしながら通りかかりました。そして、ぼくを見つけると、何をしているのだと聞きました。ぼくはまだ、こわくて声もだせなかったのですが、あの首をひろった洋服紳士のすがたが、むこうのほうに見えていたので、それを指さしたのです。すると、その子どもは、なにか、ひとりで、がてんして、懐中電灯を消すと、そのまま、洋服紳士の怪物のあとを、こっそり、つけていきました。