Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
そうして、目がさめると、きみはもう、透明人間になっているのだ。だれにも見られないで、どんなことだって、できるのだ。きみは、童話の魔法使いになったと同じなんだ。え、どうだね。夢のような話じゃないか。こんなおもしろいことが、ほかにあると思うかね。」
「いやです。ぼくの顔やからだが、なくなってしまうなんて、いやです。おとうさんや、おかあさんは、ぼくにあえなくなるし、友だちとも、わかれなければなりません。そんなことは、いやです。ぼく、魔法使いなんかに、なりたくありません。」
大友君は、ひっしになって、ふしょうちを、となえましたが、老人が、それに耳をかたむけるはずはありません。
「そんなに、いやかね。だが、いくらいやだと言っても、きみは、わしのとりこなんだ。逃げようとしても、この部屋には出口がない。ひみつ戸をあけるやりかたさえ、きみは知らないのだ。わしの命令にしたがうほかはないのだよ。さあ、いい子だから、おじいさんの言うことをきいて、じっとしているんだよ。」
怪老人は、そう言いながら、いきなりイスから立ちあがると、パッとコウモリのはねのように、外とうのそでをひろげて、大友少年に飛びかかってきました。