Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
では、あいつは、大友少年をかかえたまま、まだ洞窟の中に、ひそんでいるのでしょうか。
「ふしぎだなあ。あれほど、さがしても、どこにも、人のいるけはいはなかった。いったい、どこへかくれたんだろう。」
係長は、くやしそうに、つぶやきました。すると、そばにいた黒川記者が、小首をかしげながら、言うのです。
「中村さん、ぼくは、ふっと、いま思いついたんですが、ひょっとしたら、この入り口のほかに、もう一つ、ひみつの出入り口があるんじゃないでしょうか。用心ぶかい悪人が、一方口のふくろみたいな中に、安心して住んでいるはずがありません。きっと、もう一つ、ぬけ道があるんですよ。怪老人もそこから、逃げだしたとすれば、つじつまが、あうじゃありませんか。」
「ウン、そういうことも考えられるね。しかし、あれほど、さがしたんだからなあ、ぬけ道があれば、気がつくはずだが。」
「さがしかたが悪かったのですよ。この入り口から、逃げなかったとすれば、あいつは、まだ穴の中にいるか、それとも、べつの出入り口があるか、二つに一つです。いずれにしても、もう一度、さがしましょう。」
そこで、人々は、また洞窟の中へ、ひきかえすことになりました。