Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

探偵事務所は、明智の住宅をもかねていて、一〇〇平方メートルほどの裏庭には、いろいろな木が美しくうえてあるのですが、ふたりの刑事は、よくしげったひのきのかげに、イスを持ちだして、それに腰かけ、木の枝のあいだから、四方に目をくばっていました。腰かけているばかりではありません。ときどき、そのうちのひとりが、イスから立って、塀のそとの道路まで出て見ることもあるのです。

裏庭と道路とのさかいには、ひくいコンクリート塀があり、そこに出入り口のくぐり戸がついているのです。塀のそとには街路灯が立っていて、それが庭の中までも、かすかに照らしています。

いま、ひとりの刑事が、イスをたちあがって、庭をよこぎり、そのとき、くぐり戸をひらいて、そとの道路に一歩ふみだしたのですが、出たかと思うと、ギョッとしたように、たちすくんでしまいました。

さびしい裏町のことですから、この夜ふけに、だれも通るものはないはずだと、思いこんでいたのに、見ると、すぐむこうの街路灯の柱のそばに、みょうなものが立っているではありませんか。それは、まっかな着物を着た、大きな人形のようなものでした。