Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
なんという、ふしぎな光景でしょう。まるで夢でも見ているようです。
ところが、勇一君のからだが、寝台から一メートルもはなれたとき、とつぜん、おそろしいことがおこりました。勇一君の顔が、なくなってしまったのです。つまり、首から上が消えうせてしまったのです。白い服を着たからだばかりが、こわれた人形のように、宙に浮いているのです。
ハッとして見つめていますと、こんどは胸が消え、腹が消え、じゅんじゅんに消えていって、しまいにはひざから下だけになり、足くびだけになり、白いクツしたをはいた足くびが、しばらく、チョコンと空中にのこっていたかと思うと、やがて、それも消えて、なんにもなくなってしまいました。勇一君は、かんぜんに消えうせてしまったのです。
黒ひといろの舞台に、目に見えない、とほうもなく大きな怪物がいて、勇一君を頭から、グッグッとのみこんでしまった感じでした。
魔法博士は、さもおどろいた顔つきで、これをながめていましたが、勇一君が、まったく消えてしまうと、うろたえた身ぶりで、見物によびかけました。
「さあ、たいへん。魔法がききすぎたのです。天野勇一君は、どこかべつの世界へ、飛びさってしまいました。