Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
そこに勇一君が、帰って来ているなんて、信じられないことです。
しかし、花田少年は、さがしにさがしていた勇一君が、この洋館にいると聞いては、うちに帰ることもなにも、忘れてしまいました。
サンタクロースのようなおじいさんに、手をとられて、車をおり、門をくぐり、洋館の中へはいって行きました。
話に聞いていた、魔法博士の顔のつくりものや、鏡の部屋などは、もう取りかたづけられたのか、まがりまがった廊下には、べつにかわったものはありません。やがて、廊下のつきあたりの、奥まった一つの部屋に、たどりつきました。
「さあ、ここだよ、この部屋に勇一君がいるんだよ。きみ、自分でドアをあけてごらん。」
花田君は、おじいさんの言うままに、そのドアをソッとひらきましたが、その中を一目見ると、ハッと、息をのんで、たちすくんでしまいました。
おそろしいものがいたわけではありません。部屋の中が、あまり美しかったからです。
「ホラ、あすこにいるのが、勇一君だよ。早く行って、あうがいい。」
老人はやっぱりニコニコしながら、花田君を部屋の中にみちびきました。
それは、まるでお菓子のように、きれいな部屋でした。