Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ピストルをかまえて、ドアというドアを、かたっぱしから、ひらきながら、廊下をすすんで行きました。しかし、どの部屋も、道具も何もない、空家のような、からっぽの部屋ばかりです。
花田少年は、大きなからだの警官のかげに、かくれるようにして歩いていましたが、見おぼえのある廊下を、いくつもまがって、とうとう例の白い部屋の前にたどりつきました。
「ここです。この中に、天野勇一君がいたんです。」
ソッとささやきますと、五人の警官はいきなりドアをひらいて、その部屋にふみこんで行きました。
「なあんだ。だれもいないじゃないか。そして、ちっとも白くないじゃないか。」
おや、これはどうしたのでしょう。それはたしかに、さっきの部屋なのですが、中はやっぱり、空家のようにからっぽです。あの美しい、まっ白な天井や、かべや、じゅうたんは、いったいどこへ行ったのでしょう。白いテーブルもイスも、何もかも、かき消すように、なくなっていたではありませんか。
「虎の檻はどこにあるんだ。」
聞かれて、花田君はドギマギしましたが、
「こっちです。」
と言って、先に立ちます。その部屋もよくおぼえていました。