Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
「先生、あいつは、ぼくたちみんなを、ねらっているんです。花田君だけじゃないんです。石川君と田村君と、それから、ぼくをねらっているんです。」
「うん、たぶん、そうだろうね。何かそんなまえぶれでもあったのかい。」
明智探偵の青ざめた顔には、うす黒くひげがのびています。頭の毛はいつもよりもっとモジャモジャです。でも、目だけは人の心の奥を、つらぬくような光をたたえていました。
「ええ、おそろしいことがあるんです。うちの裏庭の土のやわらかいところに、何か大きなけだものの足あとがついています。ゆうべ、そいつが塀の中へはいって来たしるしです。」
「大きなけだものというと?」
「虎です。ネコの足あとを十倍も大きくしたようなやつが、五つものこっています。キヨはそれを見て、けさからまっさおになって、ふるえあがっているんです。」
キヨというのは、明智の家の女中の名です。
「塀をのりこえたんだね。」
「そうです。あいつはどんなことだって、できるんです。魔法博士の虎にきまっています。先生、そればかりじゃありません。裏口のドアの横の柱に、おそろしいささくれの傷ができているんです。天野勇一君のうちのマツの木にのこっていたのとソックリです。