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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

八五郎は此処まで考えて来ると、矢張りお房と腰抜け彌八郎の外には、ことごとく不在証明を持って居ることを承認しないわけに行かなくなったのです。

念のため、町内の湯屋へも行って見ましたが、番台に座って居た亭主は、

「昨夜はお萩さんとお房さんが、流しで取組み合いをする騒ぎで大変でしたよ。女湯が総立ちになったのは構わないが、男湯からまで野次馬が飛んで来て、犬の喧嘩のように、面白がってけしかけるんだから、手のつけようはありません」

と、はなはだ迷惑そうな癖に、充分に面白がって居る様子です。言うまでもなく、江戸の町風呂は早くから男女をわけて居りましたが、まだまだ脱衣場の方は僅かばかりの隔てがあるだけで、自由に覗きも覗かれもしたのです。

「ところで、二人の帰った時刻は?」

「お萩さんはプリプリしながら、亥刻少し前に帰って行き、それから煙草の二、三服ほどもして、お房さんも帰りました」

「途中で追い付く程か」

「サァ、駆け出したら追いつけないことも無かったでしょうが――」

番台の亭主の言うことは、これが精一杯です。

八五郎はもう一度、スゴスゴと巴屋へ帰る外はありません。

「八五郎親分、下手人の見当はつきましたか、私はもう腹が立って、腹が立って」