Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「いや、新吉と才六が梯子の途中で揉み合って居る間に、お前は廊下に脱出してお滝の部屋に忍び込み、窓の外の青桐を伝わって、八五郎が入った窓から二階に忍び込んだに違いあるまい、女でも身体が丈夫で一生懸命になれば、それ位のことは出来る筈だ」「違う、違う」
「そして、主人とお滝が揉み合って居る後ろから、唐紙の陰に隠れて忍び寄り、一と思いに――気の変った主人を刺した」
「畜生、畜生、それ位のことは当り前じゃないか、畜生っ」
平次の冷たい声が、驚きと怖れと、怒りとに、歯噛みをして立ち縮むお峰の顔へ、まともに叩きつけるのです。
* *
お峰を八丁堀に送って、小梅から神田明神下への帰り、八五郎は執拗に平次に喰い下るのでした。
「ね、親分、主人の岩太郎を殺したのは、妾のお峰とわかりましたが、主人の弟の岩三郎や、野幇間の奇月を殺したのは誰でしょう、あっしには、まるで見当がつかないんだが――」
「そいつは六つかしいよ」
平次は気のないことを言うのです。
「でも、岩三郎も奇月も、洒落や過ちで死んだわけじゃありませんよ――お峰は二度とも主人の傍から離れなかったから、これは下手人でないことは確かで――」