Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

【第二回】

一

架から庭の植込の外まで長い刀を運び出す工夫は一寸六つかしいようです。

そんな事を考えながら、大方洗い了った刀の水を切って、フト振り返ると、何時の間に障子が開いたか、件の秋山彌十は、縁側に半身を出して、日頃の愛嬌笑いを口辺に浮べながら、

「富山氏、いや、とんだ災難であったな、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」

事件の展開の可笑しさに、慰めの言葉が、思わず存分な笑いになってしまったのです。

「己れ、秋山、其方の仕業に間違いあるまい、これでも喰えッ」

鞘を洗うように、右手にそっと置いた来国俊の抜刀、そのまま引っ掴んで立上った富山七之助、物も言わさず、障子から顔を出して笑って居る秋山彌十の面上へ存分に喰わせたのです。

【第二回】

一

用心棒二人、秋山彌十と富山七之助の争いは、短い時間で片付きましたが、その代り恐ろしく深刻を極めました。不意に一刀を浴せられて、額口を割かれた秋山彌十は、立ち上りから七分の不利で、

「己れッ、理不尽、何んの意趣だ」

と抜き合せるのが精一杯。この男、振れ込みほどの腕が無かったか、それとも額口の血が流れて、両眼を浸してしまった為か、二た太刀目には肩口を斬られ、三太刀目にはもう、縁側に崩折れてしまいました。