Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
平次は庭から声を掛けます。
「いえ、戸締りは、昨夜旦那様が見巡った時の通りで、一ヶ所も変っては居ませんでした」
「門は?」
「門も扉が締って、閂がおりて居ました。間違いはありません。いつもそれは、勇さんが開ける役目だったんです」
平次は門の扉から、屋根、土塀などを念入に調べて居りましたが、人間の忍び込んだ様子は少しも無いのです。
「あっしも最初は、逃げ出した用心棒の富山七之助が、忍び込んで、釣竿の持主の、勇太郎を殺したのかと思いましたよ。でも、忍び込んだ様子は無いでしょう。土塀はヤワだし忍び返しが打ってあるし、門の屋根の上は苔だらけでしょう。幽霊でも無きゃ、そっと忍び込める道理はありませんね」
八五郎は得々として説くのです。
「いや、縄が一本あれば、何処からでも忍び込めるよ。あんなに木が繁って居るから」
「すると?」
「あわてるな、八。富山七之助も浪人だが武家には違いあるまい。泥棒のように忍び込んで下男一人を斬るというような――それ程卑怯なこともしないだろうよ」
「すると誰が一体?」
「もう少し考えようよ、八」
平次は下女のお竹に案内させて、物置の方へやってきました。