Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

平野屋は地主で家作持で、界隈の金持ですが、先代が亡くなってからは、若旦那の金之助は手綱の無い若駒のようなもので、母親のお早の言うことなどは耳にも入れず、放埒の限りを尽した上、この半歳ばかり前から、踊りの師匠のお園と、小唄の師匠のお組を手に入れ、江戸一番の色男のような気になって、有頂天な日を暮して居たのです。

どちらも、金が目当てだったことは言う迄もありませんが、それでも、お園とお組が、掴み合いの大鞘当てをするだけあって、若旦那の金之助は、なか/\の美男でもありました。

色白で、面長で、眉が薄くて、ひどく撫で肩で、下唇が突出して、いささか舌っ足らずで――こう条件を並べただけで、大方若旦那金之助の風貌は想像がつくでしょう。

母親のお早は持て余したあげく、親類中での褒めものの娘、お夏という十九になるのを娘分にして貰い受け、厄が過ぎたら金之助と嫁合わせる積りで、朝夕の世話までさせることにしました。

お夏は可憐で楚々として、充分に美しい娘でしたが、性根もなか/\に確りして居り、その上知恵も逞ましく、近頃は道楽者の金之助も、次第にお夏の良さに引摺られる恰好になって来ました。