Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

二

などと、八五郎の話は他愛もありません。

二

「ところで、その亡者共が、どんな騒ぎをやったと思います、親分」

八五郎の話は第二段に入りました。

「俺は知るものか、恋の病と血の道は、患った覚えは無いよ」

「銭形の親分が暗いのはその道ばかり――世間ではそう言って居ますよ」

「余計な心配だ」

「何しろ金沢町の居廻りは、薄寒いのに夕涼みの人通りで大変な賑いだ」

「それは何の禁呪だ」

「何んかの弾みで、揚羽のお艶が、門口へ顔を出さないものでもあるまいという、心細い望みなんだそうで」

「厄介だな」

「町内の湯屋は大変で、お艶が来る日を心得て居て、その日の男湯は芋を洗うほどの騒ぎで、それに羽目も壁も穴だらけにされて、桜湯の親爺は大こぼしですよ」

「――」

平次は黙り込んでしまいました。

「それから江島屋の通りは、宵から夜中へかけて、のど自慢が押すな/\ですよ、歌うの吹くの――」

優にやさしき騎士達は、行列を作って夜もすがら、セレナーデを歌い奏で続けて、お艶の一顧を得ようとするのでしょう。

「――」

「時々は喧嘩が始まって、怪我をする者もある騒ぎで――訊いて見ると、お艶さんに二度振り返って見られた野郎が、三度振り返られた報果者を殴ったんだそうで」