Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
四
八五郎は大に弁じますが、平次は黙って考え込んでしまいました。
四
「そいつは一応面白そうだ、お組のところへ行って臍が無事かどうか、訊いて見ようじゃないか」
平次はもうお園の家を出て路地に立って居りました。袋路地の入口、一方は板塀で、踊り舞台の足場が、塀の上へ高々と組みあげてありますが、此処からお組の家へ行くためには、路地の奥の木戸を開けて、大家の庇の下を通して貰うか、猿のように足場を攀じ登るか、でなければ、表通りをグルリと廻る外はありません。
平次と八五郎が行った時は、お組は一と息入れて、これから又お園の家へ出かけようという時でした。
何処かで祭の太鼓、まだ朝のうちだというのに、樽御輿を揉んでいるらしい、子供達の声などが、遠くの方から揺り上げるように聴こえます。
「あら、親分、何んか御用? こんなに早く」
などと、お組の磨き抜かれた顔は如才もない愛嬌がこぼれます。引締った三十女、古典的な眼鼻立、お園のような不均整な顔の道具から来る魅力はありませんが、いかにも自尊心に充ちた人柄です。
「何処かへ出かけるのか師匠」
「お園さんが死んでしまって、あの踊り舞台をどうしようもありません。