Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
二
二
「ところで、銭形の親分さん」
「何んだえ、おっ母さん」
お槇は四方を見廻して、突き詰めた顔になりました。
「お菊は昨日、銭形の親分のことばかり申して居りましたよ」
「?」
相手は十七、八の女の子、恋でも物好きでも無い筈とわかっているだけに、平次は変な気持になりました。
「お菊は、昨夜のお通夜に、銭形の親分が見えたら、――私の知ってることを皆んなお話して、考えて頂くんだ――と言って居りました。あの娘は何んか、心配で/\たまらない様子でしたが」
「――」
「きっと、何んか大変なことを知っていたに違いありません、どうかしたら――」
「お園を殺した下手人を知っていたとでも言うのか」
平次はさすがに気が廻ります。
「これは私だけの考えですが、あの大夕立の時、娘が腹を立てて寄りつけないので、私はお隣へ逃げて行き、お菊はお向うの唐物屋さんの店先で、雨の止むのを待って居りました」
「?」
「私は少し耳が遠いので、雷鳴様の外には何んにも聴きませんが、お菊は往来の向うから、何んか見るか聴くかしたに違いないと思うのです。それを、後の祟りが恐ろしいので、胸一つに畳んでいたが、我慢が出来なくなって、銭形の親分さんに打ち明けようとし、下手人はそれを嗅ぎつけて、お菊を殺したのじゃございませんかしら――」