Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
五
「それは何時のことだ」
「三月ほど前で」
「よし、それでわかった。お前は明日の昼頃新鳥越へ行って、あのお比奈坊を口説いて見る気は無いか」
「へっ、からかっちゃいけません」
「大真面目だよ、抱きついても構わねえ、首の後ろに真っ赤な痣は無いか、それを見極めるんだ。頬摺り位はしたっていいとも、万々一だよ、髯を剃った跡があったら、其処で縛って構わねえ」
「あの、お比奈坊が、三千両泥棒のお小姓ですか、親分」
「まだわからねえよ、――それからこう言うんだ、親分の平次が、泥棒の隠した三千両を見付けたそうだから、今晩は取出すことになって居ると――」
「本当ですか、それは?」
「本当なら、こんなことをお前に頼むものか」
「ヘェ、何が何んだかわからなくなりましたね」
八五郎は平次の思惑を測りかねて、眼をパチ/\させて居ります。
五
翌る日の夕刻、薄暗くなりかけた頃、越中屋に居た筈のお比奈は、不断着のまま、山谷の春徳寺の山門を入りました。
本堂の前で、お賽銭箱の中に、なにがしかの鳥目を投げ入れると、暫く黙祷をして居りましたが、何に脅えたか、いきなり身を翻してバタ/\と逃げて行くのを、山門の前で、大手を拡げた八五郎に止められてしまったのです。