Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
四
「あの人には身寄も何んにもございません、――何処へ行く当ても無い筈です」
「――」
「それに、此間から変な眼で見られたり、今朝なんかは、縛られかけたりして、本当に気の毒でした、お夏さんはそんな人じゃございませんよ、可哀想に」
品吉はつく/″\そう言うのでした。
「ところで、佐渡屋の後はどうなることだろうな」
平次は脈を引きます。
「私は養子ということになって居りますが、まだ家督を相続したわけでなく、亡くなった内儀さんにも気に入られて居たとも思えず、お絹さんも若いことだし、いずれ親類方へ寄って頂いて、何彼と御相談を願い度いと思いますが――」
品吉は立派なことを言うのでした。亡くなった内儀が、品吉の人柄を褒めながら、決して気に入って居なかったのは、それは顔や形のせいであったにしても、平次もよく知って居ります。しかし、こう立派なことを言うのが、品吉の本心かどうか、其処までは平次の眼も届きません。
四
「あッ、大変ッ、皆んな来て下さい、お嬢様が、お嬢様が――」
それは下女のお六の声でした。家中の者が咄嗟の間に声のする方へ飛んで行ったことは言う迄もありません。
それは姉娘のお絹の部屋でした。