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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「有難いことに、それが出来ないから、百までも生きますよ」

「無駄は止して、下女のお友は自分の勝手な了見でこの徳利の酒を捨てて居たのか」

「訊きましたよ、うんと脅かしながらね、三十八にもなって、口の隅をただらせて居るつまみ喰いの名人だ、あんまり利口でない代り、何んでもベラ/\しゃべってしまいますよ」

「どんな事を」

「万一、その徳利にも、毒が入って居ると怖いから、早く捨てた方がよい――って、人に教えられたんだそうで」

「誰がそんな知恵をつけたんだ」

「手代の佐太郎ですよ――ちょいと良い男で、薄墨華魁を観音様の化身のように思って居る――これはあのこまちゃくれた小僧の春松の悪口ですがね」

「よし、その佐太郎というのを捜してくれ」

「ヘェ、先刻まで其辺に居ましたが」

八五郎は店の方へ飛んで行きましたが、その時はもう佐太郎は何処かへ出かけた後で、店にも姿を見せなかったのです。

三

お勝手へ廻ると、乞食のような不気味な男が一人、下女のお友と立話をして居りましたが、平次と八五郎の姿を見ると、ひどく驚いた様子で、横っ飛びに裏通りに姿を隠してしまいました。

「あれは何んだえ」

平次はぼんやり口を開けて立って居る下女のお友に訊きました。