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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「望とあらば、拙者の小刀を貸そう――尋常に向って来るか」

「いや、私は町人だ、武家との果し合いは御免蒙る」

「卑怯だろう」

「何方が卑怯か」

この掛け合いは、一瞬々々のやり取りで命を賭けての、必死の言葉争いでした。もし吾妻屋永左衛門に、少しばかりの心得がなく、大井久我之助に、人にすぐれた腕があったら、こんな厄介な事件には発展せずお弓町の一角の、雨中の暗討で事が済んだことでしょう。

二

「親分、こんな馬鹿気た話があるんだが――」

と、ガラ八の八五郎が、明神下の平次のところへ、報告を持って来たのは、それから二、三日後のある朝でした。

「何が馬鹿気ているんだ、お前の持って来る話で、馬鹿気ない話てえのは、あんまり無いようだが」

初秋の温い陽を除けて、平次は相変らず植木の世話に余念も無かったのです。

「だって親分、女一人のことから、大の男が命のやり取りを始めて――」

「待ちなよ、八、女出入で命のやり取りなんざ、お前が好きそうな話じゃないか」

平次は秋葉の緑の中に顔をあげました。

「それが生優しい命のやり取りじゃありませんよ、馬鹿々々しいの何んのって」

「詳しく話してみな、お前一人で呑込んでいたんじゃ、俺はちっとも馬鹿々々しくないよ」