Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「こんな徳利は外に無いのか」
「もう一本ありますよ、四本二対になって居たんで」
「どれ」
お友が戸棚から出してくれた、四本目の徳利を嗅いで見ましたが、これは酒を入れた様子もなく、中までカラ/\に乾いて居ります。
「昨夜のお燗は誰がした」
「佐太郎どんですよ、私は料理の方が忙しかったんですもの」
「二階へ運んだのは、芸子達で」
「誰だえ、あれは?」
平次は不意に顔を挙げました。
「御新造さんの弟さんで、米吉さんですよ」
そう言って居るところへ、十七、八の前髪立の美少年が、何心ない様子で、チョロチョロとお勝手を出て来ました。
「ちょいと、米吉さんと言ったね」
「ヘェ」
「お前は御新造のお染さんの本当の弟か」
平次は突っ込んだことを訊きました。
「よく似ているそうですから、見て下さい」
米吉は微笑を浮べたままの顔を突出すのです。邪念の無い細面で、小柄で色白で、女の児のようですが、声変りのせいか、声は思いの外太く、態度に何んとなく人を喰ったところがあります。
「生れは?」
「上州――でも、仲町で育ちました、姉の仕送りで」
「昨夜は何処に居たんだ」
「仲町の知合の家へ行って、お月見の御馳走になって、とうとう泊ってしまいました」