Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「何処へ行くんです、親分」
「五丁目の杏斎先生のところだ、三本目の徳利の酒に、毒があるか無いか見て貰い度い」
「成程ね」
二人は杏斎の門に立ったとき、杏斎先生は病家へ駕籠で出かけるというところでした。
「先生、三本目の徳利が見付かりましたよ、これに毒があるか無いか、御手数でも調べて頂き度いんですが」
平次が駕籠を停めて、袖の中から白伊万里を出し、杏斎先生の鼻の先へ出すと、杏斎は駕籠に乗ったまま、
「どれ/\匂いは無いな、味は――?」
と掌に酒を垂らして、ペロ/\と嘗めるのです。
「先生、毒が入って居ちゃ危いじゃありませんか」
平次の方が驚きました。
「なァに、大丈夫、私は不死身だよ――これ位のことで命に拘わる毒というものは無い筈だ」
などと舌鼓を打って見せるのです。
「あっしのような無法者も、そいつは気味が悪くて嘗め兼ねましたよ」
それは八五郎でした。
「いや、嘗めなくてよかったよ、此酒には矢張り南蛮物の毒が入って居る、嘘だと思うなら、少しやって見るがよい、舌を絞るような、悪く苦いところがある」
杏斎先生は言うだけの事を言うと、駕籠を急がせて行ってしまいました。