Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
三
「封印をして、石原の子分衆が持って行きましたが、町内のお医者のところへでも持って行くような話でした」
「それは良かった」
平次はせめてもホッとした様子です。
三
「親分、大変なことが」
石原の由良松が顔の色を変えて飛んで来ました。
「どうした、由良松兄哥」
「お夏は親分と一緒に此処へ帰ったと言いましたね」
「一緒に戻ったよ、明神下から、八五郎と三人で話をしながら」
「それが見えないんです」
「何?」
「店先でチラと見たようですが、それっ切り、何処へ行ったか、姿を隠してしまいました」
「姿を隠した?」
「そうとでも思わなきゃ、表にも裏にも、自分の部屋にも居ませんよ」
「フーム」
平次は唸りました。それは実に容易ならぬことです。
「あの娘が自分から姿を隠す筈はねえ、誰かに誘拐されたんじゃないかな」
八五郎は口を容れました。お夏の――少し冷たくはあるが、あの透き通るような綺麗さに魅せられて、八五郎の眼には、江戸の海で取れる白魚ほどの濁りも無いように思えるのでしょう。
「そいつは八方に手を廻して捜さなきゃ、八、お前も手伝って、此界隈の下っ引を精一杯集めるがいい。まだ昼には間があるだろう、この明るい中で、十九の娘が鳶にも鷹にもさらわれる筈は無いじゃないか」