Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「大層肩を入れるんだね」

「あの顔では、喰い付き悪うございます、『鬼の面』とはよくつけた綽名で、刻りが深くて、道具が大きくて、熊坂長範みたいですが、親切で思いやりが深くて、涙もろくて几帳面で、申分のない男ですよ」

「女には、受けが良い方かな」

「女に持てる顔じゃございませんよ、現にお内儀などは、品吉さんの人柄をほめながらも、好きにはなれなかったようで――大きい声では申し上げられませんが、中年の女の方は、思いの外きりょう好みですね」

藤次郎はこう言ってニヤリとするのです。

「お絹さんは?」

「お嬢さんはまだ十八で、大した考えも無かったでしょう。お信さんとお夏さんは品吉さん贔屓で、若いお嬢さんには気が置けなくて良いお相手だったし、お夏さんには頼もしがられて居た様子です」

「奉公人達は」

「直次郎どんは、馬鹿にして居ました、男っ振りの良い人間から見ると醜男は男の屑みたいに見えることでしょう。与之助どんはよく折合って居ましたが、血の繋がりのある自分を差しおいて、他人の品吉さんがあの可愛らしいお絹さんの聟になるのは、腹の中では面白くなかったかも知れません。番頭の弥八さんは、――まァ、煙たい相手だったと思います――これは内緒で申上げることで、その辺をどうぞ」