Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「まだわからないよ、――ところでお夏には親類とか友達とか、ふだん親しい間柄の人とか、いつも褒めて居る人が無かったか、それを念入りに調べてくれ」

「ヘェ、そんな事なら」

八五郎は大呑込で飛んで行きましたが、その報告も、凡そ掴みどころの無いものでした。

「あの娘の母親は名古屋者だったそうで、江戸には親類も何んにもありませんね、それにあのお夏という娘はまた変り者で、友達らしい友達も拵えなかったそうですよ、口癖に褒めて居たのは『鬼の面』の品吉だけで――そう/\この二、三日、親分のところの姐さんを褒めて居たそうですよ、綺麗で隠やかで、人柄が親切らしいってね、そして、万一の時はあの人が頼みになりそうだ――ってね」

それを聴きながら平次は黙って考え込んでしまいました。

三

此処まで行詰まると、平次も一応は投出す外はなかったのです。

「八、後を頼むぜ、俺は、家へ帰って一と休みして考えるから」

「心細いなァ、親分」

そんな事を言ったところで、思い留らせるわけにも行きません。

「直次郎に気をつけろ」

「あの男が怪しいんですか、大川へ落ちても大した水を呑まなかったり、味噌汁の時には帳場に居たり、お嬢さんが殺された時は、お寺へ行って居り、妙に運が良いくせに、ソワ/\していますが」