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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

打ちどころが悪くて、ひどく血は出しましたが、幸い大した傷では無く、こうして置けば四、五日で治りそうにも見えます。

「まア/\こんなことで済んでよかったよ、ところで、深いわけがありそうだが、それを聴かして貰おうか」

「有難うございます、銭形の親分さんだそうで、飛んだところで、良い方にお目にかかりました」

「敵討ちが望みなら、強そうな武者修行か何んかに助けて貰う方がよかったかも知れない、俺じゃ、助太刀の足しにはならないぜ」

「飛んでもない、親分さん」

それから温いお茶を呑んで、煙草を吸いながら、心静かに平次は、二人の話を聴いたのです。

「――私共は腹違いの兄妹で、私は山之助、妹はお比奈と申します。遠州浜松の生れで、父は栄屋という大きな呉服屋をいたして居りましたが、今から十年前父の山左衛門は、家中の悪侍大友瀬左衛門という者に討たれ、それが因で一家離散をしてしまいました」

山之助は涙ながらに――文字通り、涙に濡れて語り進むのでした。

大友瀬左衛門が栄屋山左衛門を討ったのは、少しばかり用立てた金を、やかましく取立てた怨みで、栄屋もそれで潰れましたが、大友瀬左衛門も、城下の町人を殺した罪で永の暇になり、それからは良からぬ者を集めて、自ら首領になり、海道筋を荒し抜いた上、近頃は江戸に入って、押込強盗を働いて居るという噂でした。