Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
四
「やって見ましょう、――お比奈坊は何んだって、そんな乞食を――」
「お比奈坊のことなんか、忘れてしまえ」
「ヘェ」
四
平次は其処から直ぐ本銀町の両替屋阿波屋三郎兵衛の家へ急ぎました。事件は妙に急迫感を帯びて来たので、寸刻の遅れも許されず、町駕籠を拾って精一杯の酒手をやったのは平次にしては珍しい奢りです。
「あ、銭形の親分、丁度私の方から参ろうと思って居りました」
阿波屋三郎兵衛はイソ/\と迎えるのです。
「お嬢さんはどんな様子で?」
「そのことでございます。最初は散々に駄々をこねて居りましたが、あの小姓は三千両の盗人で、手代の宗次郎を殺した下手人に相違なく、それに身許も名前もわからず、捜しようも無いではないか、そんな者に逢わせろというのは、世間様への聴えも恥ずかしい、何時までもそんな事を言うなら久離切って勘当する――と申しますと、それからは床に就いたっ切り、三度の食事にも起きて来ず、まるで半病人になってしまいました。その上誰が何んと言っても返事をせず、朝から晩まで泣いて居ります。不心得な娘でございますが、万一のことがあっては、三千両の金にも換えられません。