Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
さというものは――」
「もう沢山だよ――その次は、鼻の穴が二つあって、耳が間違いもなく二つで――と来るだろう」
「あっしはもう、親分の見立てじゃないが、いよ/\六人目の恋患いに取付かれたかと思いましたよ、あの娘を見ると、胸がドキ/\して、眼がクラ付いて、無暗に腹が減って――」
「まさか喰い付きやしまいな」
「兎も角も、あんな女は眼の毒ですね、お奉行様にでもお願いして、江戸構か遠島にでもして貰わなきゃ、神田中の若い男は気が変になりますよ」
「五日の間に捜ったのは、それっ切りか」
「へエ、それっ切りで」
「馬鹿野郎、夜の眼も寝ずに、お艶の後ばかり追い廻して居たんだろう」
平次は怒る張合いもありません。恐らく江戸一番のフェミニスト八五郎は、役得の気で江島屋に乗込み、朝から晩まで娘お艶の人相ばかり調べて居たことでしょう。
「それじゃ親分、どんな事をやりゃいいんで」
「暫くの間、お艶と顔を合せたら、眼をつぶるんだよ、唾位吐いてもいい、――お前の顔を見ると、胸が悪くなる――と言った顔をして、せっせと外の事を調べるんだ」
「外を?」
「恋患いの講中がまだ四人残って居るだろう、その身許から、平常の暮し、近所の評判、あの晩の動き、身だしなみ、力があるか弱いか」