Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「御家人の伊保木金十郎様の倅金太郎、こいつは名前が馬鹿に強そうな癖に、本人は青瓢箪の大腰抜けの、柔弱野郎で――この柔弱野郎――てえのは、あっしの学で考えた名前じゃありませんよ、親父の金十郎様が、倅の顔を見ると、時も所も構わず、「此柔弱野郎」ときめつけるんだそうで、御近所じゃ伊保木様とも、金太郎様とも言やしません、頭から柔弱野郎様で通って居るから面白いじゃありませんか」

「面白かないよ、それがどうしたんだ」

「癆症だか恋患いだか知らないが、青くてヒョロ/\して居るくせに、どう渡りをつけたか、江島屋の下女のお六を手に入れ、毎日一本ずつ、一年も続けて恋文を取次がせるんだそうですよ、お六にとっては一番の大檀那で、取込んだ金は三両や五両じゃあるまいという評判ですよ」

「――」

「その上、返事を書かせれば二朱、お艶の身についた物を、そっと持って来てくれると一分――鼻紙の濡れたのが一分になるんだから、大した商法じゃありませんか」

「それから?」

「江島屋の養子の与茂吉は、いずれお艶と一緒になる約束でしょうが、この騒ぎを見せつけられて気が揉めない筈はありません。それにお艶と同じ屋根の下で暮して居るだけに、このお預けは骨身にこたえますよ、薄っぺらで、男のくせにおしゃべりで、ちょいと良い男でもありますが、近頃少し気が変になって居るんじゃ