Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
渭水の張は、馬を打って、上※へやって来た。司馬懿に諮るためである。
「何か起ったにちがいない。蜀軍の退陣、ただ事ではありません。今こそ急追殲滅を喰らわす時機ではないでしょうか」
「いや待て、孔明のことだ。迂濶には深入りできぬ」
「大都督にはどうしてそう孔明を虎の如く恐れ給うか、天下の笑い種になろうに」
時に、一兵が来て、鹵城の変を告げた。司馬懿は張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)を伴って、高きに登り、鹵城の旗や煙をややしばし眺めていたが、突然、哄笑して、
「何様、旗も煙も、たしかに擬勢だ。鹵城は今や空城にちがいない。いざ追い撃たん」
と、彼も今は疑う余地もなしと、にわかに、上※から奔軍を駆って急進した。
すでに木門道に近づくと、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)はまた、司馬懿に云った。
「かかる大兵の行軍では、どうしても遅鈍ならざるを得ません。それがしが軽騎数千をひっさげて先駆し、まず敵を捉えて喰い下っておりますから、都督の本軍は後からおいで下さい」
「いや、軍の速度の遅いのは、大兵なるゆえばかりではない。孔明の詭計を慎重に打診しながら進んでいるせいにもよるのだ」