Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
二
たとい明日の朝駈けつけて一切を話すとしても。――今日は、決して! 決して!
伸子はともかくミス・プラットが時間をすまして来るまで待っていた。それからつれ立ってモウニングサイドを散歩した。ミス・プラットは伸子の感情を洞察したらしく、自分の内心にあったかもしれぬ計画については云わなかった。一二度、ほんの偶然と思われる機会に、佃の名に触れたきりであった。
二
その一日は、謂わば偶然心持の上へ陰翳がかさなり合ったのであった。しかし、それなら絶対にいやなことのない日が、いつかあるのか?
体は一人の学生として寄宿舎に入ったが、既に佃との繋りが深く心に及ぼしているので、伸子の内部生活は、女学生のそれのように単純に行かなかった。学生の中にも愛人や許婚を持って寄宿舎にいる人は沢山あった。寄宿舎の向い側にあるメエゾン・ド・プランタンは、朝寝をした学生に重宝がられるばかりでなく、そういう人々によって夜など殊に賑やかであった。彼女らは訪ねて来た愛人達と一緒に愉快そうに喋ったり、土曜日だとダンスなどして興じていた。友達同士が互の愛人同士をまた友達にして一団となり、陽気に夜会へなど出て行くものもある。