Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「無論、槍傷ではない刀傷だ、してみると試し斬りではなく、遺恨だろう」
「左様、恋の恨みでこうなったものらしい」
「して、女の素性はいったい何者だ」
「左様、しかるべき町家の娘だな。おい姉さん、お前さん、ちょっとこの着物を見てくれないか」
辻番は提灯を振向けて、眼をそむけて戦いているお蝶を呼びました。
「ちょっと見てくれ、着物の縞柄を、ちょっと見てもらいたいものだ」
「どうしたらいいでしょう、わたしは怖くって……」
お蝶は慄えながら、それでも再び屍骸の傍へ寄って来て、
「京お召でございます、藍に茶の大名の袷、更紗染に縮緬の下着と二枚重ね……」
お蝶はようやく着物の縞目だけを見て、こう言いました。
「なるほど」
辻番の一人は、矢立と紙を出して、お蝶の口書を取ろうとするものらしい。
「帯は茶の献上博多でございましょうね」
「それから?」
「羽織は黒羽二重の加賀絞り……」
「なるほど、そうして髪は島田、鼈甲の中差、まあ詳しいことは御検視が来てからのことだ。ところでお前方」
二人の辻番は、改めて米友、弁信、お蝶三人の者を篤と見廻し、
「三人のなかで、誰がいちばん先にこの死骸を見つけなすった。