Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「よろしい」
なお弁信が何事か言おうとするのを、役人は打切って、米友の方に向い、
「友造とやら、もう一度、お前がこの死人を見つけ出した顛末を述べてくれ」
「それは、前に申し上げた通りなんだ、人殺し――という声が聞えたから、それで飛んで来て見ると、この通りなんだ、そのほかには何もいっこう知らねえ」
「それで、その人殺しという声のした時に、怪しい者の逃げて行く影をみとめたということもないのか」
「真闇で、人の影なんぞはちっとも見えなかった」
米友が頭を左右に振って、肯ぜぬ形をした時に、またしても盲法師の弁信が後ろから、抜からぬ面で口を出しました。
「その人は、確かに向うへ逃げました、この人をなぶり殺しにしておいて、そっと忍び足で両国の方へ――矢の倉というんでございますね、あちらの方へ逃げてしまいました」
「ナニ、矢の倉の方へ逃げた? それをお前は見たのか、お前は盲人ではないか」
検視の役人は、容易ならぬ眼つきで弁信をながめました。附添いの者は、やはり険しい面で、提灯を弁信に突きつけたが、弁信は一向それを怖れずに、
「はい、ごらんの通り盲人でございますから、勘がよろしうございますから、それがわかりましたのでございます。