Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
これだけのことを、自身番の親爺のうちでも読むことの達者な眼鏡屋の隠居が、スラスラと節をつけて読み立てました。
下駄屋の親爺は、面白そうに聞いていました。質屋の隠居は、不安らしい面をして聞いていました。
「なにしろ、事が穏かでごわせんな」
と質屋の隠居は、いとど不安心の色を深くしました。
「はははは、三井さんも、いよいよやられますかな」
下駄屋の親爺は、やはり面白半分に深くは問題にしていないらしくあります。
「ナニ、やる奴に限って先触は致しませんな、ただほんのイタズラでございますよ、嚇しに過ぎませんよ」
寝ころんで種彦を読んでいる親爺が、やや遠くから言い出しました。
「そうも言えませんぜ、人気のものですからワーッと騒ぐと、何をやり出すか知れたものではござんせん、本所の相生町の箱惣なんぞがそれでございますからな、首を刺されて両国橋へ曝されて、やっぱりこの通りの張札をされたんでございますからな」
眼鏡屋の隠居はそれに答えました。
「ああ、鶴亀、鶴亀、そんな話は御免だ」
と質屋の隠居は気を悪くしたと見えて、煙草入を腰に挟んで立ち上りました。折角今まで碁を打っていたのに、それを早々逃げ腰になったところを見れば、この親爺連のうちでは、質屋の隠居が一番弱虫であることがわかります。