Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
反駁する者は、決してそんなことはあるべきはずのものではないと言い、主張するものはいよいよそれが事実あり得ることで、たとえば居合の上手が切れば、切られた人が、切られたことを知らないで歩いていたという実例や、八丁念仏の謂れなどを幾つも説いて、それは要するに剥いてみる動物の精力の強弱のみではなく、その皮を剥ぐものの手練と、刃物の利鈍によるというようなことを述べて、決してあいくだりませんでした。
しかし、これは両方とも、根拠があるようでない議論でありました。なぜといえば主張する者も、書物や又聞を証拠として主張するのであるし、反駁するものも、常識上そんなことが有り得べきものではないという点から反駁するのでありますから、ドチラもこの事実を、目のあたり見たものの口から出る議論ではありません。
それを聞いていた神尾主膳は、興味あることに思いました。なるほど常識を以て考うれば、虎や狼にしたところで、皮を剥がれて生きて歩けようとは思い設けられぬこと、しかし主張するものの論から考えると、常識以上の不思議が必ずしもないこととは思われないのであります。そこで神尾主膳は、
「それは近ごろ面白いお話だ、拙者も承っていると、ドチラのお申し分にも、道理がありそうでもあり、ないようでもある、それというのはいずれも、その御実験をごらんなさらぬ