Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
兵馬は上にのしかかって、金助をギュウギュウ言わせます。
「ア、痛ッ、面の皮が摺剥けてしまいます、どうか御勘弁なすって下さいまし」
「早く言ってしまえば、無事に放してやる、言わなければ命を取る」
「あ、申し上げます、実はその神尾の殿様は、躑躅ヶ崎においでなさるんではねえのでございます」
「それではどこにおられるのじゃ」
「それがその……」
「真直ぐに言ってしまえ」
「ア、痛ッ、ではお前様に限って申し上げてしまいます、神尾の殿様は生捕られておしまいなすったのでございます、あの晩、放火に来たやつらが神尾の殿様を生捕って、どこへか連れて行ってしまったのでございます」
「それは本当か」
「本当でございますとも。けれども神尾の殿様ともあるべきお方が、穢多のために生捕りにされたとあっては、御一統のお名前にも障りますから、それで、ああして病気お引籠りということになっているんでございます。それも生捕られたのは殿様ばかりではございません、あの御別宅においでになるお絹様というお方も、やっぱり穢多に生捕られてしまったんでございます。その行先でございますか、それはわかりません、いずれ山また山の奥の方へ連れて行かれたんでございましょう」