Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「どのみち、あの大将も破れかぶれだから、トテも上品な狂言を択んじゃあいられねえ、そこで病気を種につかってみたり、穢多を玉にしてみたり、どうやらこれで一時を切り抜いたものらしいよ」
「ふむ、そうすると病気も穢多も、みんな狂言の種かい」
「あの火事までが狂言だとこう睨んでるんだが、どんなものだ。あの大将、いよいよ尻が割れかかって、どうにもこうにも始末がつかねえから、それで奴等にかこつけて、自分で屋敷へ火をつけたんだ」
「なるほど」
「火をつけて罪は奴等へなすりつけておいて、帳尻の合わねえところは焼いてしまった……おいおい、向うから役人みたようなのが来るぜ、気をつけなくっちゃあいけねえ」
道を外らして行く二人の旅人、その若い方はがんりきらしく、やや年とった方は七兵衛らしくあります。
この二人は何のために、また甲府までやって来たのだろう。ここには駒井能登守もいないし、神尾主膳もいなくなったし、宇津木兵馬も、机竜之助も、お松も、お君も、米友も、ムク犬も去ってしまったのに、なお何かの執着があって来たものと見なければなりません。
いつぞや持ち出した安綱の刀、それをどこぞへ隠しておいたのを、取り出しに来たものかと思えば、そうでもなく、二人はその足で直ぐに甲府を西へ突き抜けてしまいました。