Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「してその資本の工面がつけば、何をしてみようというのじゃ」
「それは、やはり太夫元をやってみとうございます、今でも両国のあの株を買い戻して、看板を換えて花々しくやってみる分には、そんなに骨の折れたことではございません、軽業を土台にして、目新しいところを二三枚買い込んで、一やま当てるには今が時機なんでございます。その道にかけては、わたしも昔取った杵柄で、今の人たちがやるのを見ていると、間緩くて腹が立ってたまりません。この間も両国へ行って見ましたら、やっぱり昔のままの軽業や力持でお茶を濁しているものでございますから、今時、あんまり知恵のない人たちだと、ひとり歯ぎしりをして帰りました。わたしがやっていた時分には、軽業や力持はほんの前芸にしておいて、真打ちには、人の思いもつかないものを買い込んで、仲間をあっと言わせ、お客を煙に捲いて人気を独り占めにしたものでございます。印度から黒ん坊の槍使いを買い込んで、あすこで打ちました時なぞは、毎日毎日大入り客止めで、大袈裟のようですけれど、江戸中の人気を吸い取ったような景気でございました。そんなことでずいぶん儲けもしましたけれど、使いも使いました、一つ当りさえすれば、皆様を五年や十年、遊ばしてお置き申すほどのお金はなんでもないことでございます。