Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

認められます。

「さあ、これから、そっちの方へ歩き出すよ、歩きながら、またちっとばかり芸当をして見せる、弘法大師は東山の大の字……」

自分で口上を述べました。今度は別段に気合をかけないで、桟をつかまえた手と、腰に力を入れるとその呼吸で、梯子は米友を乗せたまま、ヒョコヒョコと動き出して、取巻いた群集の近くへのり出します。

「逃げなくってもいい、お前たちの頭の上へブッ倒すようなブキな真似はしねえから、安心して見ているがいい、俺らの方は心配はねえが、後ろの方と前横を気をつけてくんな、江戸には、巾着切りというやつがいる、人が井戸ん中へ入ってる時でもなんでもかまあずに、人の物を盗るような火事場泥棒がいる」

米友はこう言って、見物にスリと泥棒とを警戒したつもりのようでしたが、井戸の中へ入っている時に、火事場泥棒が出るといった米友の論理は、見物にはよく呑込めませんでした。たしか梯子芸をしているから、それで火事場泥棒を持ち出したのだろうと察したものなどは、血のめぐりのよい方でありました。大部分はその口上なんぞに頓着なく、これからまた梯子の上の一番にとりかかろうとする米友の姿を、固唾を呑んで見上げました。