Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
相当に身分のあるものもあり、相当に勇気のあるものもあったろうけれど、誰ひとり残って、歩兵を相手に取ると頑張るものはありません。すすめられるままに、裏手や非常口から避難してしまいました。宇津木兵馬も無論その一人です。
「金助」
非常口で兵馬は、金助を見かけたから呼びかけると、
「宇津木様、驚きましたな」
「神尾殿はどうした」
「へえ、神尾の殿様は、もう茶屋へお引取りになってしまいました」
「その茶屋へ案内しろ」
「よろしうございます」
金助は兵馬の先に立って走る。
「茶屋はどこだ」
「たしかこの辺でございましたっけ」
「ナニ、たしかこの辺、貴様はその茶屋を知らんのか」
「茶屋から送られて参りますまでの途中で、お目にかかったんですから……」
「では、確としたことはわからんのじゃな」
「何しろこの通りの騒ぎでございますから、顛倒してしまいました」
「この騒ぎはいま始まったことだ、神尾殿を見逃さぬよう、用心を頼んでおいたのはそれより前のことじゃ」
「それは、お頼まれ申したに違いございません、いまお知らせ申そうか、少し後にした方が都合がよいだろうかと思っているうちに、この騒ぎでございましたから」