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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

「いつかの意見と矛盾するじゃないか」

刀を差しながら云った。

「私が幸福でいることは、ゆるせない、いつか決闘することになるかもしれない、そう云ったことがある筈だ」

「――――」

「谷町の忠告も、その意味も、よくわからないが、私がもし破滅するとしたら、そっちにとっては本望じゃないのか」

「記憶力は慥かなんですね」千之助は唇を歪めた、「しかし、記憶はいいが理解の点はだめですね、貴方を幸福なままにしておけないのは、この私なんです、貴方をまいらせるなら私のこの手でまいらせたいんです、ほかの者の手でやっつけられても、私は少しもうれしくないんですよ」

「それならもう満足したと思うがね」

「なにがです」

「どうやら幸福の位置が、逆になったようだからさ」

こう云って、半之助はまっすぐ相手を見た。千之助の表情に屈辱の色がうかんだ、そして、彼は式台へおりて来た。

「貴方は侮辱するんですか」

「お祝いを述べているんだ」

半之助は微笑した。

「その席を大事にしたまえ」そして門のほうへ出た。

歩きだしたが、気持は重く、むかむかと、吐きたいような感じが、胸につかえていた。こっちにもしそのつもりがあれば、冲左衛門や千之助の云うことは、むしろ逆に進上したいものであった。