Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

来太の喉がごくっと鳴った、「つまり柳沢侯は、御家門に列せられ、御諱字を頂き、要するに誰でも御大老と」

「誰でも、……というのは」

「誰でもとは誰でもだ、柳沢美濃守さまが御大老だということは、武鑑などにも記載してあるし、世間一般の常識として」

「巷間の板行物や世評を聞いているのではない、改めて申すが、柳沢侯は老中首席であって、大老ではないのだ」

来太は歯をくいしばった。これまで「大老」でとおってきたが、正式に任官したのではなく、一般が、その大きな権勢に、おもねる呼称だった。しぜんひらきなおって詰問されると、抗弁する余地はなかったのである。

「次に訊ねるが、そこもとは柳沢家においていかなる身分であるか、また役名、食禄などはいかがであるか、うかがいたい」

平四郎は憎いほど静かに、そして無表情に、問いをすすめた。

「自分は柳沢家の家臣である」

「それはわかっています」

「柳沢家の、この荷駄の……」

来太はつまった。そして、屈辱のために逆上した。

「ええ、こんなばかなことがあるか、いったい貴公の不審はなんだ、この荷駄か、それともこのおれか、関守には関守の権限がある筈だ、まずそれから聞こうではないか、貴公の不審はどっちだ」