Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「とにかく殺生禁断はいい」主馬が酔ったような声で、「こういう家があり、いつでも安心して肉が食えるのは、あの法度のおかげだからね、……なにか云うんだ」
終りの言葉は、すばやい囁きであった。しかし半之助には、そういうはやわざは、できない。顔をしかめ、だめだ、というふうに手を振るので、主馬が慌てて、「ああ、あれは臍曲りだからね、曲軒という仇名があるくらいで、かれはなんにでも理屈をつける、なってないよ」
でたらめなことを云っていると、廊下に面した障子に、人の影がうつり、すっと障子があいた。
「――誰だ」
主馬が云った。
半之助も、盃を手にしたまま、ふり返った。廊下に男が立っていた。さっき庭で、射落された鷺を、蹴った男である、みじん流の剣術の達者で、次高来太とかいう、あの小男であった。
本当に酔っているのか、どうか、次高という男は、ふらふらしながら、いやな眼つきでこっちを睨んだ。
――どうする。
半之助は主馬を見た。
主馬は、任せろ、という眼まぜをし、黙って相手を見かえした。次高という男は、ゆっくりと手の甲で口を横に撫で、太くて濃い、短い眉をぴくっとさせながら、