Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
そのとき、まるで彼の軽侮に答えるかのように、庭のほうから、矢が一筋、空を切って飛んで来、するどい音をたてて、天床に突刺さった。二人ははっと片膝を立て、突刺さったまま震えている、天床の矢を見あげた。
「――なるほどね」
半之助が云った。
「――かれらは、なにも知らないらしいな」
「知る筈がないんだ」
主馬はこう云ったが、こんどはあまり自信のない声だった。
「つまり、なにかを知ろうとして、さぐりを入れてるんだろうが、少しうるさいから、いちおう出ることにするか」
「二の矢の来ないうちにね」
主馬は下へおりていった。
着替えをして、裏口から出るとき、庭の向うで笑う声がした。弓を射た(菱屋庄兵衛という)やつか、次高来太か、いずれにしても、こっちを嘲笑していることはたしかだった。主馬はちょっとふり返って、なにか云おうとしたが、そのまま外へ出た。
「海端がいい、涼みながら話そう」
空はまだ明るかったが、あたりはすっかり黄昏れて、夕凪ぎどきの湿気が、地面をむっと掩っていた。二人は水の見えるほうへ歩きだした。
執着
一
青山主馬が半之助を「丸茂」へつれていったときは、裏口から出入りをした。