Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
叔父の兵庫はこう云って、ふと、きらきらするような眼をした。
半之助は以上のことを、そのときぜんぶ覚えたわけではない。二回めの叔父の話や、その後に起こった出来ごとが重なって、ほぼまとまった記憶になったのである。しかし、二人が行方不明になり、一人が狂死したという「かんば沢」の名は、幼い彼にとって、強烈な印象であった。
それから二年めの秋に、叔父が公用で出府し、こんどはひと晩だけ泊っていった。そのときまた「かんば沢」の話が出た。
「ちょっと妙な好奇心が起こりましてねえ」
さりげなく云いながら、どうやら自分から願って、みどうの調査を始めたようであった。
なにかわけでもあるのか、なんとなく言葉を濁すような感じだったが、話はこのまえのときよりずっと現実的で、しかも(特にそのころの半之助にとっては)かなりきみの悪い、内容のものであった。
狸の談合場というのは、八月(陰暦)十六日から十八日まで、夜の八時から十時へかけて、じっさいに狸ばやしが聞える、そうであった。
「そこは尾草という部落のうしろで、松林にかこまれた、かなり広い台地のような場所ですがね、私は三晩ともそこへいってみたんです」