Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
と、叱るように叫んだが、ふと慌てて眼をそらした。
眩しいほどに白く、なめらかに豊満な、美しい双のまるみが、泡立つ水の中へ沈んでゆくのが見えた。
「静かにやって呉れ」若者は片手をあげた。
船頭は、若者の手の動くほうへ、こんどはゆっくりと櫓をつかいながら、「おそろしく息がお続きなさいますね」と感じいったふうに云った、「二百息、いや三百息はたっぷりだろうが、本当に魚をお掴みなさるんですか」
「まるで鵜のようだ」
「どうもその、どういうことなんだか」
片手で汗を拭いて、さもげせないとでもいったように、船頭は首を振った。
「こないだはお屋敷の、屋根へおあがんなすって、ましらの如くってんですかね、お庭の榎の枝から、ひらひらっと飛び移って、ひらひらっとあの高い二階の屋根へあがったと思うと、例のあの、ほっほう、てえ梟みてえな声をおだしんなって、それからまたひらひらっと屋根を走って、榎の枝へ飛び移って、見えなくなってしまったんだが、どうもその早いのと身の軽いのにゃあ仰天しましたぜ」
若者は手を左へ振った。
「上のお嬢さんはばかにしんとして、あっしらなんぞにゃあ、怖いくらいなんだが、こちらはよっぽどおてんばでいらっしゃるんですね、おくにでもこんなですか」