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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

と署長はやさしく言葉をかけましたが、おやじは、またぐたりとなってしまって返事をする様子もありません。

一方、離れの方では、溝川署内で敏腕の聞こえのある弓田警部が警察医と二人で、娘の身体をしらべています。

「軽微な麻酔薬を嗅がされたんですな、もう三十分もほっとけば自然にさめるでしょう。このままにほっとく方がいいです」

「麻酔剤には何を用いたでしょう?」

「それがねえ、さっぱり匂いが残っとらんのでわかりませんが、あなたは鼻はきく方ですか。微量の麻酔剤では、すぐ揮発してしまいますから、よっぽど鼻がよくないとわかりませんからなあ。なに、いずれにしても、呼吸や脈拍の状態から見て、大したことはないです。今に気がつきますよ」

「君がはじめに来たときには、この女は机にすわっていたんだな?」と弓田警部は甲刑事の方を見ながらいった。

「そうです。この一閑張の机にもたれて右手のない男と話をしていました」

「その右手のない男は君が出てから何分位してから外へ出てきたかね?」

ちょっと二人に目礼して母屋の方へ鞄をかかえて出て行く警察医の後ろ姿を見送りながら、弓田警部は言葉をつづけた。