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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

四

否それ以上でした。二人が別々に生きてゆけるなんてことは、とても想像することすらできなかったのです。口へ出して「二人は永久に愛しあいましょう、一しょになりましょう」などとわざわざ言うのは、妾たちの愛を冒涜するようにさえ感じられたのです。

四

こんな愛にいつか、弛みが生じることがあると想像できるでしょうか? ところが想像できるできないの問題じゃなくて、実際二人の愛はたちまち暗礁に乗りあげたのです。

ある日の夕刻、――それが最後のランデブーだったのですが――妾たちは日比谷公園であいました。あの人はひどくふさぎこんでいました。表面から見たくらいでは、他人にはわからなかったかも知れませんが、妾には一眼で、あの人の心に一つの変化が起こっていることがはっきりとわかったのです。

「どうしたんですの」と妾は訊ねてみました。「今日は貴方の顔はまるで墓穴から抜け出してきた人のようにまっさおよ、すっかり錆びて、つやがなくなってるわ」

あの人はだまっていました。妾は気が気でなくなりました。というのは、その頃は妾たちは昼間でも何でも会うとすぐに手ぐらいは握りあっていたのに、その日は、あの人は棒のように立っていたきりだったからです。