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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

四月十七日

あの人はどんな誘惑に対してもびくともしない、磐石のような方にちがいない。

四月十七日

昨日もあのオパール色の手紙が来た。だが妾はもう開封しなかった。あの人を少しでも疑うなんて、あの人をふみつけにすることにもなるし、妾自身の愚かさ、醜さを妾自身に証明することにもなるのだから。

しかし、今日、またポストの中にあの封筒を発見した時は、どういうものか、妾は頭の中が痺れるような気がした。妾は自尊心と嫉妬との激しい戦いを胸の中に感じた。とうとうこの前と同じ手段で、開封するより外にどうすることもできなかった。妾は手紙を読みながら、自分の全身が激しい嫉妬のためにぶるぶる慄えるのを感じた。身体が熱くなったり、寒くなったりするのをおぼえた。それは妾でなくても、とうてい尋常一様な女では辛抱のしきれない恐ろしい手紙だったのだ。

貴方とお別れしてからすぐこの手紙を書くのです。一分間もじっとしていられないのです。ひきつづき、私たちの命のつづく限り、私のすぐ、そばに貴方を感じていないでは、一秒間も生きていられない妾です。こんなに強い、こんなにまじりっけのない愛が、世の中にあったでしょうか?